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のだめカンタービレ #21 (21) (講談社コミックスキス)

『自立?決別?』
Ruiと千秋のコンチェルトの成功はのだめに大きな衝撃をもたらした。
今度ばかりはのだめも浮上できず、そんなところに現れたシュトレーゼーマン。
のだめにピアノを聞かせてくれと言うシュトレーゼーマン。
「ベートーベン ピアノソナタ31番」を弾くのだめ。
『これでお別れか?それとも…』
冷徹にのだめのピアノを見極めようとするシュトレーゼーマン。
やがて、彼の顔に浮かんだ満面の笑み。待ち望んでいた時がようやく訪れたかのような。
機は熟したのだ。
「音楽に真剣に向き合うと、どんなに楽しいか?知りたくない?」
「千秋のことを忘れて…」
この言葉の中に
「千秋から自立するときが来たんだよ。もう千秋に振り回されるのはやめなさい
千秋との共演が夢?そんなケチな夢じゃ、困るんですよ」
というメッセージも込められていたような気がします。
以前はのだめが世界に目を向けるためには千秋の存在が必要だったが、今は、千秋の存在が
却ってのだめの飛躍の妨げになっていると思います。
シュトレーゼーマンはのだめの大きな分岐点に必ず現れる。
千秋とオクレール先生に背を向けてシュトレーゼーマンの手を取るのだめ。
のだめの育成という意味合いでは千秋とオクレール先生の役目は終わったのだと
思います。
今後、のだめの音楽に対する姿勢も千秋との関係にも大きな変化が訪れると思います。
20巻で長田がのだめが弾くベートーベンの三大ソナタを聞いて、かつて千秋の父
雅之が三大ソナタを全部弾いた後、妻子の許から去ったのを思い出しているのが、
遠からぬうちにのだめが三善のアパルトマンから、ひいては千秋の許から
自分の意志で去ることを暗示しているような気がしました。
それが千秋からの自立となるのか?それとも決別となるのか?
シュトレーゼーマンの導きでのだめが「音楽と真剣に向き合う本当の楽しさ」を
知ったとき、千秋の呪縛、いつしか音楽を千秋と一緒にいるための手段にしてしまった
ことから解き放たれて、自分のために音楽と向き合うようになれるのではと思います。
そのときに、初めて千秋とのだめは音楽家として、男女として本当に向き合えるのだと
思います。


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